液晶テレビ KDL-40EX500 の中を覗いてみた

去年のブラックフライデーBenQのEX2780Qを買い、部屋にディスプレイが4台に増えてしまいました

買い替え理由である、中央に黒シミが出来たPD2700Qも作業用としては使えるので、 デカくて使用頻度の低い液晶テレビ KDL-40EX500 を廃棄することにしました

液晶テレビの廃棄の仕方

東京都23区は家電リサイクル受付センターに委託しているようです

以下は区民向けで、多摩地区や他県の方は自治体の廃棄方法に従ってください

  • 収集日を予約する
    • メールアドレスを登録すると申し込みページへのリンクが送られます
    • 必要事項(個人情報、収集希望日、家電の種類)を入力
    • 受付完了メールが送られる
  • 自分でケーブル類を取り外して、玄関先(集合住宅の場合はゴミ集積所)へ運ぶ
  • 収集にきた業者さんに料金を支払う

液晶テレビの引き取り料金

リサイクル料金 2970円 と運搬料 2750円 の計 5720円
(15インチ以下は1000円ちょっと安いです)

申し込みから収集までの日数

年内最終営業日の12/28に申し込んで、最短の年明け1/8に来てもらいました

ただ捨てるだけじゃもったいないな…

お金を払ってただ捨てるじゃ癪なので、分解して中を覗いてみました

※内部は電気が残ってる場合があるので自己責任でお願いします!

液晶テレビ KDL-40EX500 の概要

  • 2010年2月発売
  • 実売13万前後
    • エコポイント(懐かしい…)で10万ぐらいで購入した記憶
  • 40inch 1920x1080
  • 倍速駆動(120Hz)
  • モーションフロー(残像低減)
  • CCFL(冷陰極蛍光管)
  • 消費電力:170W(待機時:0.1W)

分解の様子

背面パネルの取り外し

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背面全体と端子類

画面を下にしてベッドに置き、作業

もう見なくなったD5端子やコンポジット端子があります
あ、B-CASカードは念のため抜いてハサミでチョッキンするなどした方が精神衛生上良いかと思います

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台座部分と外した裏ブタ

まず、台座部分の4本のネジを抜き、台座を取り外します
次に背面から見えるネジ全部を抜きます(大体矢印が描かれています)
裏ブタを外します

200mmのVESAマウントのネジ受け部分にのみ金属が使われているのがわかります
(金属フレームじゃなくて大丈夫なのかな…)

背面の内側

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裏ブタを取り外した内側

左側の白っぽい基板は、コンセントからの交流を直流に変換する電源基板
右側の青い基板は、TVチューナーやHDMIからの入力を処理するメイン基板
上側のアルミで覆われた部分がメイン基板とフラットケーブルで繋がっていて、電源基板の左側にもスチールで覆われた部分があるのがわかります

先に、アルミで覆われた部分を分解していきます

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液晶表示を制御する部分

アルミは放熱板で、これを取り外すと緑色の基板が入っていました

  • 下のコネクタ:メイン基板とフラットケーブルでつながっていた部分
  • 左のコネクタ:電源基板からの直流電力を受ける部分
  • 上のコネクタ x2:液晶パネル(側の基板)と直接繋がる部分
  • 真ん中のチップ:メイン基板からの映像信号を液晶パネル用に変換するIC

この基板を T-CON と言うそうです

T-CONでわかった型番
  • TDP-V0.4 : T-CON (TFT Controller Board)
    • SONY CXD4725GB : LCDドライバ?
    • SAMSUNG K4T56163QI-ZCE6 : DRAM DDR2-667 5-5-5 256Mbit x2
    • STMicro 42568WP : EEPROM serial I2C 256kbit

次に、スチールで覆われた部分を分解していきます

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バックライトの電源部分

細長い基板が入っていました
右側の写真は、左に90度回転して置いています

  • 上のコネクタ:電源基板からの直流電力を受ける部分
  • 下の突起部分(10個):バックライトである蛍光灯の各電源端子

後でお見せするのですが、この液晶テレビのバックライト(光源)は「冷陰極蛍光管(CCFL)」という蛍光灯です
つまり、この細長い基板は電源基板からの電力をバックライト用に変換する基板になります

バックライト用電源基板でわかった型番
  • SAMSUNG SSI400_10A01 : Backlight Inverter Board

液晶モジュール

背面にあった基板を一通り取り外したので、裏ブタとかみ合ってた表側の化粧枠を取り外します

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化粧枠を外した表側(左)、更に内側の黒枠も外した後の液晶モジュール(右)
※真っ黒でピントがわからずピンボケしてます

いよいよ液晶パネルを見ていきます
黒い液晶パネルはガラス板に挟まれていて、それなりに重さがあります
また、上にある2つの白いフラットケーブルが、T-CONと繋がっていた部分です
それぞれに緑色の基板がついており、各3つの半透明フレキケーブルでパネルと繋がっています

もう、この液晶パネルは取り外せます

で、本当にこのパネルがフルHDの映像を生み出すのか?と疑問に思い、裏側から手持ちLEDライト(自転車用)を照らしてみました

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裏側からLEDライトを照らして表からiPhoneで撮影(左)、液晶モジュールの型番(右)

格子のようなものが見えます
これがピクセル(画素)になるようです
(直下から強いLEDライトで照らせば、割と光は通るんだなという感想です)

液晶モジュールの型番
  • SAMSUNG LTY400HF06 : LCD Panel (S-PVA)
    • 952mm x 551mm 9kg(モジュールの重量と思われる)
    • 40inch 1920x1080 120Hz (1G1D : 1 Gate-Line 1 Data-Line)
    • Haze 4.5% 3H
    • 8bit + 2bit FRC
    • 400 cd/m2
    • 5000:1
    • GtoG 6.5msec
    • NTSC 75% (sRGB 100% typ)
    • CCFL x10 line

液晶パネルの下には、同じサイズのフィルムが何枚も重ねてありました

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液晶パネルの下にあるフィルム(左)、フィルム構成(左)

※変な影は部屋の照明のせいです、気にしないでください

フィルムはこんな感じです

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DIFFUSER >PET< , PRISM >PC< , DIFFUSER >PC<(多分…)

このプリズムフィルムは面白くて、フィルム越しに覗くと縦に引き伸ばしたように見えます
(実物じゃないと面白さが伝わらない感じっ!)

で、最後にやっとバックライトです

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バックパネルとCCFL

細長い基板の10個の突起が、10本並んでる蛍光管の電源端子に対応することがようやくわかります
ちなみにこの蛍光管は普通のよりとても細いので割れやすいそうです…(こわっ)

以上の構成は、製造元のSAMSUNG公式HPの "Understanding Today's LCD Screen Technology" によくまとまっています
(S-LCDSONYSAMSUNGの合弁で、後にSAMSUNGが買い取った記憶)

ちなみに、この液晶パネルは Top Polarizer から Bottom Polarizer まで一体化していると思われます

電源基板とメイン基板

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電源基板とメイン基板の近影

電源基板
  • SONY APS-254 : ACDC power supply 225W

電気回路はほとんどわからないので、電源は危険!と気を付けて扱ったぐらいです

左上の一番デカいトランスの中央を基準に、基板の下が1次側、上が2次側(右端にPRIMARY, SECONDARYのシルク印刷が見える)だけわかりました

メイン基板
  • SONY BAL1L : Main Board

メイン基板のSoC部分はハンダ付けされたヒートシンクに覆われていて、窺うことはできませんでした
NECのSoCとSAMSUNGDRAMがありました

また、富士通のFR60はこんな記事が出てきて、音量とかチャンネル表示に使われていそうな感じです

TIのアンプIC周りはLRそれぞれ回路規模が大きく、音質に気を使っているという印象です
この先(上のコネクタ)がスピーカーに繋がっています

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アンプIC周り(左)、コネクタの先のスピーカー(右)

以上、「お金払ってただ捨てるだけじゃもったいないので液晶テレビの中を覗いてみた」でした

ご覧いただきありがとうございました